| 周極星 | |
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「膨張し続ける巨大市場・中国。老獪な邦銀支店長、美貌の中国系投資会社社長…。激動の中国経済に挑んだ若き日本人ファンドマネージャーの運命は。上海を舞台に描く最先端の経済小説。」というキャッチフレーズに惹かれて読んだが、イマイチ。
敵役の邦銀上海支店長の倉津というのが全然ワルじゃなくて、主人公達との対立構造が今一つはっきりしない。倉津はどこにでもいる普通のおっさん。もしかして普段私がもっともっとワルのおっさんを見慣れているからかも。
物語は淡々と流れる。もしかして女性週刊誌にでも連載されたのではないかと、何度も巻末をチェックしたが、そこには中央公論で2004年10月号から2006年2月号に連載されたと書いてある。
歌に『ムード歌謡』というジャンルがあるが、さしずめこの小説は上海を舞台にした『ムード小説』と言う感じか。幸田氏の小説には珍しく、テーマが無い。
唯一楽しめるのが女主人公胡夏琳(フー・シャーリン)の艶めかしさ。私はこの小説を読む間ずっとスー・チー(舒淇)をシャーリンになぞらえて読んでいた。
『あとがき』で、幸田氏が連載を始めるにあたり「そうだ、上海に行こう!」と思い立ったと書いてあった。今回、幸田氏は初めて中国に行かれたらしい。中国をご覧になってちょっと中国風邪をひかれたのかもしれない。でもその気持ちはよく分かる。


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