| ユグドラジルの覇者 | |
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2006年の横溝正史賞受賞作品。新聞広告に釣られて読んでみた。
高度にネット取引が発達した近未来のシンガポール取引所(SGX)に於いて、『華龍』と噂される何者かが大手機関投資家達の動きを先回りして、一人勝ちをする。
シンガポール生まれの客家で米国育ちの投資銀行員ジャックが、その正体を突き止めようと炎天下のシンガポールを走り回る。
一応推理小説なので、これ以上書かないが、何かが起こるのかと思わせながら、結局何も起こらず終わってしまうという、『狐に抓まれた様な小説』だった。
そもそも『金融取引のネットへの移行や、グローバルなネット銀行の設立は、全て欧州財閥の謀略によるもの』との前提で書かれた小説であるところが問題。
作者がうたた寝をした時に見た一瞬の妄想を、引き延ばして書いた様な感じだ。作者は日本の某メーカーに勤める技術者。
幸田真音氏が描く『実務に裏付けられたリアリズム』も、黒木亮氏が訴える『エリートビジネス戦士の葛藤』もそこにはない。
横溝正史賞の選者が一様に「私はネットも金融も知らないのですが」と前置きするところがおかしい。結局消去法で選ばれた様だが、だったら受賞者無しにすれば良いのに。










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