『漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?』加藤 徹 著

漢文の素養   誰が日本文化をつくったのか?漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?
加藤 徹

光文社 2006-02-16
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伊藤師匠がPodcastやHPで紹介しておられた『貝と羊の中国人』という新刊がすぐ手に入らなかったので、同じ著者のこの本を、繋ぎのつもりで先に読んだ。

タイトルだけ見ると何やら小難しい本ではないかと身構えてしまうが、個々の漢文や漢詩についての解説は最小限に留められている。東アジアの共通言語であった漢文を通して、同地域の文化と政治の歴史をわかりやすく描いた良書であった。

古代からの中国・朝鮮・日本の関係を振り返ってみると、各国の行動様式が、今も昔も全く変わっていないことに驚く。

江戸末期には、ヤクザや農民さえもが漢文を学び、中流実務階級を形作ったことが、日本が明治以降いち早く近代化を成し遂げることができた理由だと説く。

著者は中流実務階級の教養として、いまこそ漢文的素養を見直す必要ありと主張する。漫画やアニメなどのサブカルチャーばかりではいずれ国力は衰退すると警鐘を鳴らす。

「インターネットの発達により、再び漢字文化圏の人々どうしが、『筆談』を楽しめる条件が整った」というくだりは新しい発見だった。『世界漢詩同好會』というHPもあるらしい。

著者は1963年生まれの大学助教授。大変読みやすくわかりやすい文章を書かれる方である。『貝と羊の中国人』以外の著書も全部読んでみたくなった。

貝と羊の中国人
加藤 徹
4106101696

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