京阪神急行電鉄

阪急電鉄が村上ファンドから阪神電鉄の株式を取得する方針を決めたとのニュースを聞き、子供の頃読んだ、かんべむさし氏の『決戦・日本シリーズ』というフィクション小説(絶版)を思い出した。

この小説は、阪急ブレーブスと阪神タイガースが共にリーグ優勝し、西宮球場と甲子園球場を舞台に日本シリーズを戦うという物語である。当時阪急は毎年の様にリーグ優勝していたが、阪神はさっぱりだったので、まさに夢物語であった訳である。

優勝した方の電車は、相手の線路を我が物顔で走ることができるという約束が、シリーズ前になされたので、両社が全社一丸となって必死に戦うというストーリーだ。

実は阪急と阪神は、第二次大戦中に戦争物資輸送の為に強制的に合併させられたことがあり、両社の線路は今津駅の所で繋がっていたのである。確かに30年以上前の今津駅は、一つのホームを両社が背中合わせで利用していた様に思う。

私が通っていた小学校は阪急電車と阪神電車の間にあり、生徒達は、阪急ファンと阪神ファンに二分されていた。「阪神電車、ボロ電車!」と阪神ファンをよく冷やかしたのを覚えている。

この小説の中で今でも記憶に残っているのは次の二つのエピソードだ。一つは、阪急電鉄の社員が沿線のお宅を回って、是非阪急の試合を応援に来て欲しいと頼んだところ、「宅の息子は塾があって忙しゅうございますので、野球なんて応援に行けませんの。」と断られるシーン。

もう一つは、阪神電車の運転席には「山側」「浜側」との表示があり、それを阪急ファンが、「阪神電車は一生東西にしか走らんつもりやろ。その点阪急は、東西南北に走るで。」と自慢するシーン。それ程二つの沿線の住民の間には深い溝があったということだ。

小説は途中から上下二段に分かれ、二つの話が同時進行する。上半分は「阪急が勝ったので」というストーリーで、下半分は「阪神が勝ったので」というストーリーである。そこから、かんべ氏ならではのスラップスティックコメディーが始まるのである。

ところで、阪急が阪神を買収しても、利用者には何のメリットもないのではないか。路線も重複しており相乗効果も見込まれにくい。むしろ京都ー大阪間を走る京阪電鉄が阪神電鉄を合併する方が、阪急電鉄とのサービス競争が生じ、健全である様な気がする。

京阪と阪神で、「京阪神急行電鉄」。実はこの名前は、阪急電鉄が以前に使っていた名前なのだ。阪神間を走っていた阪急電鉄の前身の会社が、国策により戦争中に京都大阪間を走っていた旧京阪電鉄を合併してできあがった会社である。

鉄道の歴史は、今も昔も合併と分離の繰り返しであるということがよくわかる。長年の阪急電鉄ファンだが、今回ばかりは京阪や近鉄を応援したい。

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今日もまたネットで阪急の阪神株取得のニュースが出ていましたが、なんと京阪電気鉄道が反対の意向を表明したようです。どういう経路でこのニュースが流れ出たのかは... 続きを読む

コメント(3)

トラバありがとうございました。
私は東京ものですから頓珍漢ですが、阪神間の複々線需要というのはないものなんでしょうか。神戸ー大阪はたしかどっちの定期でも自由乗車ができたと記憶しているのですが、両者で複々線とするという考えはどうでしょう。阪急神戸線はかつて特急と普通の2種別しかなかったんですよね(うろ覚え)

私も関西を離れて長くなったので今どうなっちゃてるのか、正直わからないですね。
ただ、阪急は山手を、阪神は浜手を走っており、その距離はかなりありますので、特急専用と鈍行専用にするのは無理がありますね。

京阪もいいけど、近鉄との合併のほうがメリットあるかも
今、難波と西九条を結ぶ新線が建設中ですし、
それがあれば名古屋から神戸まで直通も可能になります。
タイガースも大阪ドームを堂々と使えるようになります。

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