鏡の国

ソウル市内を車でグルグルと回っていると、一瞬日本にいるのではないかと錯覚する。外国にいるような気がしないのだ。

今まで地球上にこんなに日本にそっくりの国があるなんて、想像もしなかった。

勿論異なる点も幾つかある。例えば韓国の車は右側通行なので、乗っている車が交差点を曲がる時や、横断歩道を歩いて渡る時には、左右が逆になることから、多少の違和感を覚える。

看板に書かれている文字は当然ハングルなので、何が書いているかを読み取るには、裏返しに書いたひらがな・カタカナを読み取る程度の手間がかかる。

つまりこの国は鏡に映った日本の姿の様なのである。

街並みについて気の付いたことと言えば、背の高いトンガリ屋根のてっぺんに十字架がついたキリスト教会が、街の至る所にあること。そして、30階はあろうかと思われる高層マンション群が、雨後の筍の様に沢山立っていることだ。

東京でも最近でこそ高層マンションが立ち並び始めたが、その比ではない。外観は至ってシンプルで、香港やシンガポールのコンドミニアムに似ている。

どこが日本のマンションと違うのか考えてみた。気が付いたのは、日本のマンションには必ずあるベランダ(バルコニー)が無いのだ。正確に言うと、窓際にはベランダの様なスペースは設けられているのだが、ガラスがはめられており、小さな小部屋になっているのだ。

マンションの目立つところには、『SAMSUNG』や『現代』の大きな文字が誇らしげに書いてある。運転手に聞くと、社宅ではなく、建設したデベロッパーの名前だそうだ。


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