先日、娘を近所の写真屋に連れて行き、新年度の生徒証に貼付する写真を撮った。『お受験』用などの勝負写真の場合には、この写真館に行くことにしているのだが、生徒証の証明写真程度であれば、街の写真屋で十分だ。
大人であれば、『証明写真BOX』が安くて良いのだが、子供の場合だと、ちゃんと写っているかどうか心配なので、多少高くても写真屋を選んでしまう。
去年まで店を守っていた初老の主人の代わりに、息子とおぼしき青年が、テキパキとデジタルカメラとパソコンを操作して撮ってくれた。値段は2枚で1,050円だった。
息子の代になってからであろうか、狭い店内には、「お持ちの8mmフィルムやビデオを、DVDに焼きます。」とか、「海外のPAL方式のビデオを、日本で見れるNTSC方式のビデオにダビングします。」とか、色々書いてあった。
結婚披露宴の時に使った私と家内の子供時代の写真スライドを、CD-ROMに焼いてもらえるかと聞いたところ、メディア代525円とスライド一枚あたり84円で焼くことができるという。
写真屋を出ると、向かいにダイエー系の55ステーションというDPEがあるので、そこでも値段を調べてみた。証明写真は4枚で1,050円だという。こっちの方が安かった。ついでにスライドをCD-ROMに焼けるかと聞いてみたところ、店番をしているバイト君は、すぐに答えることができず、どこかに電話を掛けている。しばらくして、「当店では扱っておりません。」と言う。
翌日、55ステーションが会社更生手続開始の申立をした。新規設備投資を行い、デジタルプリントの需要を獲得しようとしたが、銀塩プリントやフィルム販売の落ち込みが大きく、資金繰りが悪化したとの事である。
今年3月には家電量販店のノジマとの間で業務提携・資本提携に合意し、同社を引受先とする第三者割当増資を予定していたが、ノジマによる資産査定の結果、出資が見送られたことから、会社更生手続の道を選ばざるをえなくなった。
思えば、55ステーションのビジネスモデルは破綻していた。元々は名前の通り、多少高くても55分で現像・プリントできることが売り物だった。ところが家庭用高性能プリンタや、コピー機兼用のセルフプリント機の出現が状況を一変させた。
一刻も早くプリントしたい人は、プリントしたい写真だけを選び、自分のプリンタで印刷するか、24時間営業しているコンビニのセルフプリント機等でもプリントできる様になった、プリント枚数が多く、多少ともプリントまでの時間を待てる人は、ドラッグストアやコンビ二等の、より安い窓口を選ぶ様になった。高くても55分でプリントしますよ、という商売は中途半端になり、成り立たなくなってきたのである。その結果、セールと称し、プリント代を下げざるを得なくなった。
はじめに戻るが、街の写真屋も決して経営は楽ではないだろう。しかしながら、写真屋の主人というのは、本当に写真が好きな人ばかりだと思う。
カメラ人口は以前に比べ、着実に増えている。これからは老いも若きも皆デジカメを持つ様になるだろう。高機能になったデジカメをフルに使いこなしている人は少ない。そうなった場合、どうすれば上手な写真が撮れるのか、失敗した写真の原因は何かなどを、やさしく教えてくれる写真屋が出現すれば、それはそれなりにお客をつかむ事ができるのではないかと思うのだが。








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