2005年2月アーカイブ

異端王道
江上 剛

東洋経済新報社 2005-02-18
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破綻した「長期融資銀行」が、「新興銀行」として再上場するまでの物語と聞けば、誰でもモデルの存在に気付くだろう。同じモデルを扱った小説には、自称経済評論家のこの本などがあるが、外資憎しのマスコミの論調に迎合するステレオタイプの三文小説だった。かたやこの小説の著者である江上氏は、綿密なる取材をもとに、本作を書き上げている。特に世間を騒がせた「買収後不良化が判明した債権の解除権」については、それが買い手の提案ではなく、売り手であった政府からの提案であったことも、はっきりと書かれている。98年以降に起こったことは、読者も皆知っており、「これはフィクションではなくドキュメンタリーである」と言い切ってしまった方が、どんなにか執筆が楽になったかと思われる。そこをあえて小説という形を失わずに書き切るには、大変な苦労があったのではないか。
実は私は、この小説が「東洋経済」に連載中、著者に対して「事実は小説よりも『酷』なり」という様な内容のメールを送ってしまったことがある。そんなメールに対しても、著者からはちゃんと返事を頂いた。最近この手の週刊誌は会社では定期購読しなくなったので、連載を全て読んでいる訳ではなかった。今回単行本になった物を読んで、私が書いて頂きたかった事も、ある程度書かれていたことに気が付いた。失礼をしてしまった。勿論当事者なるがゆえに、些細な事実との相違が気になったということもある。それは、400ページで話をまとめなければならないという小説の制約があったからであろう。 この小説は上場までを描いた第一章である。現実の世界は既に第二章に移っている。
この本は、現役の銀行経営者や銀行員に対して書かれた指南書とも言えよう。この通りに銀行を変えていく事ができれば、その銀行は「新興銀行」に近づくことができるのだから。しかし「言うは易く行うは難し」であるということは、木村剛氏が率いる日本振興銀行の迷走振りを見ればわかる。やはり確固不抜の経営者の存在が重要であることは言うまでもない。
正直に言おう。私はこの本をカフェで読んでいたのだが、初めから最後まで目頭が熱くなり通しであった。涙が止まらなかった。
江上さん、すばらしい本を書いて頂き、有り難うございました。



愛・地球博が開幕した25日、神戸の人工島の上に作られたポートピアランドが、入園者減の為、来年3月に廃園することがひっそりと報じられていた。
この遊技施設は、1981年にポートアイランドの完成を記念して開催された、「ポートピア’81」という博覧会に併設されて作られたものだが、大阪にUSJが出来てからというもの、入場者減が続いていたという。
このエントリーのタイトルは、ゴダイゴが歌ったポートピア’81のテーマソングの出だしである。
懐かしい。当時既に東京に住んでいたが、夏休みに神戸へ帰省したときには、何度か行ったことがある。あれから干支が2回転もしたのか。
92年に結婚した時、わざわざポートピアホテルで披露宴を行った。あのホテルは今でも賑わっているのだろうか。



ソニーから面白い製品の第二弾が発売されるので、ご紹介したい。これは「ロケーションフリーテレビ」というもので、簡単に言えば自宅で受信したTV放送を、(無線)LANを通じて、離れた所で見ることのできる製品だ。先月ご紹介した、「ネットワークメディアプレーヤー」は、PC上の動画や音楽を、(無線)LANを通じて離れた所にあるTVで見る為の製品だったから、ちょうど反対の機能を持つものだ。
どういう使い方を想定しているかというと、自宅内でワイヤレスでTVを見たり、出張先や旅行先で、自宅で受信中のTV番組を見たりするという使い方だ。LANが繋がる環境であれば、海外にいても日本の放送を見ることができる。昔私が南の国に赴任した時、やはり日本の放送が恋しくなって、短波ラジオで紅白歌合戦を聞いた覚えがあるが、これがあれば日本にいるのと同じ様にTVを見ることができそうだ。最近、リタイアした後は、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどに移住したいと考える日本人も多くなってきた。それでもやはり日本のTVも見たいという人もいるだろう。そういう人がこれを買って、日本の親戚の家にでも置かせてもらえば、日本にいるのと同じ様にTVを見ることができると思うのだが、どうだろう。
実は昔、ある会社が海外赴任者の為に、国内で受信した放送をネットに流すサービスを始めたことがある。その会社は、あくまで国内に置いた顧客人数分のPCを、海外に住む顧客に一台ずつレンタルしているのだと主張したが、TV局が止めさせようとしたことがある。今回の製品もそれにかなり近いコンセプトなのだが、TV局はどう出るのだろうか。

桂米朝集成〈第1巻〉上方落語(1)
桂 米朝 豊田 善敬 戸田 学
岩波書店 2004-11


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「ミイラ採りがミイラになる」という諺があるが、てっきり海外の諺かと思っていたら、「本朝廿四孝」という浄瑠璃の中に出てくる言葉らしい。
先日「桂米朝集成〈第1巻〉」を読んだ。上方で名人と言われる芸人には破滅型が多いように思うのだが、その中で、(一見)真面目そうに見えて、誰からも尊敬の対象となる方と言えば、この米朝師匠をおいて他にいないだろう。実は米朝師匠は私の高校の大先輩でもある。旧制中学卒業後、漢学で有名であった東京の大東文化学院に進学し、演芸研究家であった正岡容(いるる)氏の門下生となって、落語を研究していたのだが、戦争にとられて姫路に帰った。戦後神戸の雑貨卸商で働いていたが、当時絶滅の危機に瀕していた上方落語を再興するのは、あなたしかいないと正岡氏に言われて、落語研究家から転じて、自ら四代目桂米団治に入門したという、落語家としては変わった経歴の持ち主だ。まさにミイラ採りがミイラになったということだ。
この本は新たに師匠が書き下ろした物ではなくて、今まで活字とならなかった短い文章を集めた本である。 読んでいて、「ハハァ」と感銘を受けた一節をご紹介したい。

「例えば、人差し指を出して物をさし示す場合でも、ちょっとした要領があるわけで、(中略)「火鉢」といってから指を出せばお客には、その示された場所に火鉢が見えるわけです。「その財布……」という台詞がお客の耳に届いた時に、すっと前を指せば、そこに財布が見えるわけで、何もいわずにただ、漠然と指をつき出してから「その財布を」といっても、その指し示す動作による効果はうすくなります。」

なるほど、と思うことがこの本には沢山書かれている。もちろん軽い小咄なども収められている。

村芝居をみて帰った娘に、「面白かったか」ときけば、
「面白かったけど、私、みる場所を七へんも変えたんやわ」
「また、村の若い衆が悪戯をしたんやろ」
「はあ、やっと七へん目に」   ♪ドン、ドン♪

俳句というより川柳だが、学生の頃、俳句には必ず季語を詠み込まなければならないと教わった時、何とも窮屈で形式的なものだと思った。ところがこうして毎日ブログを書いていると、季語というのはお題として、とても便利な物だということに気付いた。日本人の方が外人よりもブログを続け易いのではないだろうか。
「春一番」は今ではもっとも人気の高い春の季語だが、意外と歳時記に登場したのは昭和の半ばになってからだという。壱岐の漁師言葉を民俗学者の宮本常一が採用し、1959年刊の平凡社版「俳句歳時記」に載せられたのが始めらしい。


ところでクイズを一つ。キャンディーズの曲に、「♪春一番が 掃除したてのサッシの窓に〜」という言葉で始まる歌があるが、題名は何か?

「春一番」と答えた人は間違い。正解は「微笑がえし」。私は毎年春一番のニュースを聞くと、こちらの歌の方を思い出してしまう。あれは1978年の初春だったか、受験勉強が最後の追い込みに入ったとき、雑念を払う為に田舎の祖母の家に泊まり込んで勉強していたのだが、夜中にラジオを聞いていると、何度も何度もこの曲がかかっていたのだ。
この曲は4月の引退を目前に控えたキャンディーズの為に、阿木燿子が今までのヒット曲のタイトル等をつなぎ合わせて作った歌詞に、穂口雄右が曲をつけて、2月に発売されたものだ。歌詞だけ読むと、何とも世俗的で、こんなのが歌になるのかと思うほどなのだが、それがファンの感傷を誘い、立派な曲になっているのだ。ちょうどそれが、彼女達の活躍時期と同時期に3年間の高校生活を過ごし、その総括である受験に臨む私にとって、これから故郷の町を離れ、東京へ旅立つぞという気持ちと相まって、何とも上手くピタリと符合していたのだ。今でもこの曲を聴くと、あの当時の無限の可能性を信じていた頃のことを思い出す。
ちなみにこの曲は、1978年3月12日にオリコン1位に登場している。これが彼女達の唯一のオリコン1位と聞くと驚くが、当時はピンクレディーというお化けのようなライバルがいた為だ。余談だが、キャンディーズは田中好子を真ん中にして歌っていた頃はそれほど人気が無かったのだが、観客の視線が伊藤蘭ばかり追っているのに気付いた渡辺プロの社長が、伊藤蘭を真ん中に持ってきたところ、急に人気が出たということを、最近の週刊誌で知った。
あれから既に27年。皆さんは今から27年後の自分を想像できるだろうか?

ミニスカートの話ではない。昨年末に自宅に泥棒が入り、iPod miniをはじめとする大事にしていた物を、根こそぎ持って行かれたことは、既にお話しした通り。先月iPod Shuffleが出たが、やはり1GBという容量は心許ない。それに目で見て曲を選べないのもどうかなということで、今一つ食指が動かない。やはり新型iPod mini待ちかなと思っていたら、ようやくThink Secretに、噂話が載っていた。それによると、今度のiPod miniは、TFTのカラーディスプレーを搭載するのではないかとのこと。視認性が格段に向上しそうだ。アルバムのジャケットも表示できれば尚良し。
搭載するHDDも、日立の4GBからSeagateの6GBにアップするという。価格は何と昨年と変わらずの$249とのこと。発表はまもなくらしい。これは早速Apple Storeで予約だな。




昨年10月に米国で公開された、ネットでも話題のこの映画を昨夜やっと観た。とある方法で昨年末に手に入れていたのだが、「積ん読」ならぬ「積ん録」のままほったらかしになっていたのだ。
全編操り人形が出演する映画なのだが、「サウスパーク」のクリエーターらが制作した為、そこら中に毒がちりばめられている。
ストーリーは、サンダーバードの様な特殊部隊が、テロリストやその背後にいる金正日をやっつけるという単純明快なものなのだが、掛け値なしにとても面白い。特に43分頃と、60分頃の2回、腹を抱えて笑ってしまった。
それにしても本当によくできている人形だ。何秒かおきに、瞬きをしているのである。この「瞬き」が、生きているように見せる秘密だろう。そして口の動きも台詞とぴったり合っているのである。お陰で時々演じているのが人形だということを忘れさせてくれるのだ。人形劇でここまで表現できるというのは凄いと思う。
プラハの北朝鮮大使館が、チェコ共和国に対し、この映画の上映禁止を求めたと報じられているが、金正日本人は、絶対にこの映画を観ていると思う。そして内心嬉しがっている様な気がする。何しろこの映画に出てくる金正日の人形はとってもキュートだからだ。彼が「I'm so lonely〜」と歌うシーンもがとてもいい。ここにビデオクリップがあるので、是非観てほしい。
日本での公開は今年7月という話であるが、果たしてどの程度忠実に翻訳できるのだろう。苦労すると思う。下ネタが満載だから。

英辞郎で「on the edge」を引くと、次の様な成語が出てくる。
on the edge of a cliff 崖っぷちで
on the edge of bankruptcy 倒産寸前で
on the edge of death 死にかかって

私はここ10年以上メーラーとしてEudoraを使ってきた。このソフトはミシガン大学の資産として基本的に無料で使用できたのだが、QUALCOMが有料でメインテナンスを始め、日本語化にあたっては、クニ・リサーチ・インターナショナルという会社が頑張ってくれていた。
ところが、2002年になり、オン・ザ・エッヂと言う会社が、日本の代理店の権利を取得したのだ。するとその会社は、「今までのバージョンのサポートは致しません。サポートが必要なら、うん千円のバージョンアップ料を私共にお支払い下さい。」ときたのだ。私はその時、「あ、この会社はそんな事をする会社なんだ。」と大嫌いになった。結局私はそれを契機に使い慣れたEudoraを捨てて、Apple純正のmail.appに切り替えたのだ。
その後この会社は2003年に社名を「エッジ」と改めた。そして今度は、私が使っていたAirH"のDDIポケットを、エッジ繋がりで買収するのではないかとの噂が出た。我々H”ユーザーは、エッジが買収しないよう、祈るような気持ちだった。
仮にこの会社の社長の名前を「猪八戒」としよう。八戒は小学生と同じで、友達がいいおもちゃを持っていると、絶対にそれを自分のものにしなければ気が済まないのだ。友達にお金を渡して、「このおもちゃで遊びたかったら、うちにおいでよ。」といって取り上げてしまう。ところが八戒は、おもちゃを自分の物にした瞬間、そのおもちゃに対する興味を失ってしまうのだ。そのおもちゃは、おもちゃ箱の中に捨て置かれるのだ。そして、もう次のおもちゃを自分の物にすることだけが八戒の興味の中心となるのである。
ご存じの通り、エッジという会社は2004年に、民事再生法適用申請をしていた無料プロバイダーの「ライブドア」を取得し、自社の名前をライブドアに変えた。
八戒が改めなければならない点はもう一つある。孫氏や三木谷氏にあって、八戒にないのは、「ジジ転がし」の能力であろう。ジジイと喧嘩することしか知らないのだ。ジジ転がしの能力は、いくらあっても損は無いと想うのだが。まさに今on the edgeにあるのだから。

大和総研がこのほどまとめた統計によれば、日曜夜6時半からの「サザエさん」の視聴率(26週平均)が高いと、TOPIX(26週平均)が下がり、低いと上がるということがわかったという。
確かに家族皆が日曜の夜揃って、「まる子ちゃん」と「サザエさん」を見ながらカレーをパクつくよりは、新車に乗ってドライブをし、デパートで買い物をして、レストランで食事をした方が、景気に対する良い影響はあるような気がするが、本当に関連性ってあるのだろうか。
ちなみにもっと株価の上げ下げと関連性の高いのは、犬のニュースが新聞に取り上げられたかどうかということらしくて、0.96(ほぼ1)の相関係数だという。本当かな?
「さあーて、来週のTOPIXは???」

E-mailを使い始めてかれこれ20年になるが、私の自慢は、「不特定多数を対象とする迷惑メール」を一度も受け取った事がないということだった。ところが、昨年夏から会社のメールアドレスに毎日の様に迷惑メールが来る様になった。その内容は、英文で「PCのソフトを安く売りますよ。」とか、「あなたの会社のロゴを作って上げます。」というものばかりだ。一体どこで私のアドレスを拾ったんだろうと考えてみたところ、どうやら昨年夏に韓国の子会社を立ち上げた時に、私がドメインネームの管理者として登録したからだと思う。
本社のドメインネームを管理している広報部の人に聞いてみたら、やはりそれ以来毎日の様に、迷惑メールが来る様になったという。管理者への連絡が必要な場合もあるだろうが、困ったものである。
そこで、迷惑メールだけを生け捕ることにした。私のやったことはただ一つ。「!」マークが本文に入っているメールだけを迷惑メールのフォルダーに自動的に仕分けることにした。これで色んなアドレスを使って入ってくる迷惑メールのほとんどが、開ける前にまとめて削除することができるようになったのだ。面白い事に、私のところへ来る英文の迷惑メールには、必ず「安い!」とか「お得!」とか、「!」マークが入っているからである。


10年振りにPC用のスピーカーを買い換えた。前のスピーカーの音は悪くなかったのだが、電源スイッチやボリュームが接触不良を起こしたり、サランネットに穴が空いたりしたので、買い換えを決意した。
今度買ったのはTIMEDOMAIN miniというスピーカーだ。奈良にあるタイムドメインという名前の会社が作っているもので、見た目はゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじの様な形をしている。このスピーカーはタイムドメイン理論に基づいて作られたという。どんな理論かと言うと、普通のスピーカーは無音の時でも、幾つかの周波数の音を出して、合成の結果無音を作り出しているが、このスピーカーは無音の時には本当に音波を出さないというものらしい。だから歪みが無いという。
聞いた感じは、非常にカッチリとした音で、音の定位がすばらしい。例えて言えば、「深剃りの効く電気シェーバー」といった感じだ。狙った音は、どんな小さな音でも見逃さず、しっかりと捕らえるという意味だ。「何も足さない、何も引かない」と言ってもいい。ドンシャリの音楽が好きな方には、多少低音が物足りないかもしれないが、私が聞くのはボーカルの曲がメインなので、中音域が前に出てくるこのスピーカーが気に入った。
実は、このスピーカーを買う前にネット上でも評判のONKYO GX-77M(W)というアクティブスピーカーを買ったのだが、不満な点があって返品した。隣近所や家族に気兼ねしないといけない環境なので、ボリュームを上げて聞くことができない。しかしながらこのマレーシア製のONKYOのスピーカーは出力が大きめで、ある程度以上の音量で聞くことを想定している為、ボリュームを絞った場合、ギャグエラー(左右の音が同じだけ減衰せず、ステレオの定位が真ん中に来ない)が発生したのだ。PC用のスピーカーというのは画面を見ながらじっと座って聞くことになるため、ボリュームを絞るにつれて音が左の方へ寄ってしまうと、非常にイライラしてしまう。修理に出したのだが、戻ってきたら、今度は音を絞ると定位が右に寄ってしまったのだ。
その点TIMEDOMAIN miniは、きっちりと真ん中に定位する。そこがまた素晴らしい。
ところで、iPodの流行は、iPod用のアクセサリー用品という新たなマーケットを生み出した。iPodに繋ぐデスクトップ用の小型スピーカーというのが、どんどん発売され売れているのだアップルストアでも色んなスピーカーを販売しており、PCメーカーのショップというよりも、オーディオショップの様になっている。
皆さんはどんなスピーカーをお使いですか?


今週月曜日に、経済産業省が後押しをする「創業・ベンチャー国民フォーラム」というのが、『Japan Venture Award 2004』の受賞者を発表した。 起業家部門で最高の賞である経済産業大臣表彰を受けたのは、沖縄のレキオファーマという会社の社長である奥キヌ子さんだ。
この会社のビジネスモデルは何かというと、沖縄、中国、アジアの伝承医学や天然資源をもとにした医薬品を、製薬会社との提携によって共同開発を行なうというものだ。では具体的に何を開発したかというと、内痔核つまりイボ痔を切らずに直すことのできる「ジオン」という薬を開発したのだ。私は痔持ちではないので良くわからないが、痔には痔核(イボ痔)、裂肛(キレ痔)、痔ろう(アナ痔)等があり、更に痔核は内痔核と外痔核に分けられ、このジオンという薬は内痔核を治すことができるらしい。
どの様にして使用するかというと、内痔核に直接注射をするらしい。すると痔核に炎症が起こり、組織が線維化して硬化・萎縮するという仕組みだ。従来の手術であれば通常1週間ほどの入院が必要だが、この注射療法なら1、2日で退院できるとのこと。
この薬に目を付けた経緯が面白い。そもそもこの薬は、奥社長の大学時代の中国語クラブの先輩が、1989年に北京から「消痔霊」という薬を持ち帰った。「これは行ける!」と思った奥社長は、後日痔に悩んでいた友人と北京に飛び実際に投与してもらって効き目を確信。1991年に会社を立ち上げて、1995年から三菱ウェルファーマと共同開発を開始。約15億円を投じ、ようやく昨年製造承認にこぎつけたとのこと。奥社長は開発資金を作るために、沖縄で高級クラブを開いたこともあるらしい。
何はともあれ商品化できてメデタシメデタシだ。ちなみに社名のレキオ(LEQUIO)とは、ポルトガル語で「琉球」を意味するらしい。
ところで痔といえば、ヒサヤ大黒堂の「ぢ」という表記の広告が有名だが、どうやらこれはヒサヤ大黒堂独自の表記で、正しくは「じ」と書くらしい。「じ」と書くより、「ぢ」の方が痛そうだ。香港島のビルの上に大きく光っていた「ぢ」のネオンサインは有名だったが、最近撤去されたとの噂がある。本当だろうか?どなたか教えてください。

仕事上、何人もの韓国人とメールのやりとりをしているが、なかなか名前を覚えることができない。金(キム)さん、李(イ)さん、朴(パク)さんばかりで、こんがらがってしまうことがある。香港人ならレスリーとかアニタとか、仕事上でも英語名を使うのが一般的になっているので、頭に残りやすいが、韓国人は日本人と同じで、仕事上で英語のニックネームを使うのには、まだまだ抵抗があるようだ。その上韓国語のローマ字表記はかなり「揺れ」があるようで、綴りを覚えるのも難しい。
名前を漢字でどう書くかがわかれば、記憶しやすく、また男か女か判別できるのだが、わざわざ聞くのも妙である。その結果、長い間男だと思っていた人が実は女だったりする。それは日本人についても同じようで、私の事を女性だと思ってMs.を付けてくる人もいる。そう言えば先日仕事上で付き合いのある韓国の若い女性から、「MSNでおしゃべりしましょ。ハンドル名を教えてね。」とメールが来てしまった。このまま女性(ネカマ)に成りきることにしようか。
欧米人にとってみれば、日本人の母音だらけの名前も覚えにくいと思う。香港やシンガポールでは、小学校の先生が、「はい、あなたはジャッキーね。」と名前を付けたりするらしいのだが、さて日本人の場合はどうしようか。
と思っていたら、百式さんのブログで、昨日面白いサイトを紹介していた。The Baby Name WizardのNameVoyagerというサイトで、子供に名前を付けるときに、その名前が今どの程度人気のある名前なのか、いつ頃最も人気があったのかなどがわかるサイトだ。アイデアもさることながら、その表示の仕方がとてもユニークで面白い。ぜひ試して欲しい。
ちなみに私は二人の娘に、英語でも中国語でも日本語でも通りの良い名前を付けている。

渋谷駅から初台方面に行くバスは、井の頭通りか公園通りを通る。前者は西武百貨店のA館とB館の間を通り、東急ハンズの前を抜ける一方通行の道なのだが、歩行者が我が物顔で車道を歩いたり横切ったりするものだから、走行中のバスと接触しないか運転手ならずともヒヤヒヤする。そう、今は無き「超満員の豊島園のプール」のど真ん中に、大型の屋形船を浮かべた様な感じだと思って頂ければ良い。
更にひどいことには自家用車や商用車が、沢山違法駐車をしているので、バスが全く前に進めないことさえあった。「あった」と過去形で書いたのには訳がある。渋谷区が交通環境整備事業の一環として、歩道をわざと車道に出っ張らせて、車が一台しか通れない様に工事をしているのだ。この「狭窄工事」のおかげで、さすがに車道に車を駐車する人もいなくなり、以前よりもスムーズにバスが通れる様になった。丸井の前を通る公園通りの方では、この工事は既に完了しており、停滞が解消されている。
道が十分に広いと渋滞がおこり、狭くするとスムーズに流れるという、何ともおかしなことが都心では起きている。

先週木曜日の夜、六本木ヒルズの40階で行われた、ある個人投資家向け合同会社説明会に参加した。共に昨年マザーズに上場した、R社とI社の社長同士が親しい間柄であるため、それぞれの本社がある東京と大阪で一回ずつ開催するとのこと。
I社の社長は関西弁で言うところの「おもろい」社長であった。元ミサワホームのサラリーマンであった彼は、独立後定期借地権による不動産の事業化を行っていたのだが、ネットを利用した不動産のオークション事業に進出し成功したのだ。どんな社長かというと、ジャパネットたかたの社長の様な感じだと言えばわかってもらえるのではないか。まさに「情熱の人」である。I社はこの度Yahoo!と業務提携し、Yahoo!上でも不動産のオークションを開始することになった。参加していた投資家の中からは、Yahoo!に乗っ取られるのではないかと心配する人もいた。もっともな話である。主導権を握られぬ様、是非頑張ってもらいたい。
一方R社は、元々海外不動産投資の回収コンサルティングや、不良債権のデューデリジェンス事業を行ってきたのだが、現在は不動産投資事業や地銀と組んだ企業再生事業に業務を拡大し成功している。ブティック型の投資銀行とでも言うのであろうか。旧知のI社長は大石内蔵助ではないが、「志の人」といった感じかな。地方銀行との業務提携拡大にあたり、元「きんざい」の社長を特別顧問に招いたのは大正解だったと言えるだろう。
パネルディスカッションのコーディネーターを務めておられたA女史とは10年振りにお会いしたが、以前と変わらず御奇麗であった。
投資家向け説明会に参加したのは、実は今回が初めてだったのだが、IRというのは大事だということをつくづく感じた。今後興味のある会社が説明会を行う際には、是非参加したいと思う。

帝都東京・隠された地下網の秘密
秋庭 俊
洋泉社 2002-11


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先日酔った勢いで、妙な本をオーダーしてしまったが、面白かったのでご紹介する。 我々は現在走っている東京の地下鉄の内、戦前にできていたのは銀座線だけだと聞かされてきた。しかしながら著者の綿密なる取材・調査によると、戦前既に幾つかの地下鉄が完成していたというのである。また地下鉄のみならず、地下を貫く幹線道路や、地下広場もできていたというのである。これらは全て国防上の観点から建設されたとのことで、東京都や東京メトロ等の関係者の口は一様に重く、それらを認めようとはしないのだ。 半世紀以上も前に作られ、捨て置かれた地下道は、現在崩落の可能性があるらしい。今も新しい地下鉄の建設が進められているが、ルートの決定にあたっては、住民のニーズもさることながら、崩落の可能性がある地下道の補修工事の予算付けの為に、そのルートが決定されているとのことである。 100%事実ではないかもしれないが、90%以上は事実ではないかと思えてくる。私はこの本を読んで以来、落ち着いて地下鉄にのったり、地下道を歩いたりできなくなってしまった。朝のラッシュ時に、信号故障だとか、忘れ物の捜索などの理由で地下鉄が止まることが多いが、もしかすると一般の車両が止まっている間に、要人がこっそりと回送車両で、移動しているのではないかとさえ思えてくるのである。いつも散歩に行く代々木公園の下には、貯水池があることは周知の事実だが、その下に核シェルターがあってもおかしくないだろう。 著者の文章は多少こなれてないところがあるにもかかわらず、一気に読める本である。

またまた露悪趣味だとの誹りを顧みず、今度は、自宅のPowerMac上のiTunesで聞いている曲名を、左のサイドバーに表示することにした。なお平日の日中は、出勤前に聞いた曲名がずっと表示されるのであしからず。


今日お昼に近所の吉野家へ行ったところ、まるでロシアの食料配給所の様なことになっていた。そう、今日は一年ぶりに一日限りで牛丼を販売する日だったのだ。列はお店の周りを取り巻いており、弁当の列には50人位、店内で食べる人の列は20人位であった。老若男女、並んでいる人の層はとても幅広い。吉野屋はこの日の為に一年位かけてアメリカ産牛肉の在庫をかき集めてきたらしい。冷凍保存の場合24ヶ月位は品質を損なわないと言う。しかしわざわざ疑惑の米国産牛肉を食べようという物好きが沢山いるものだ。
吉野家が食材にこだわるのには訳がある。1980年に「たれ」を粉末に変えたところ、客足が遠のいてしまい、会社更生法を適用するはめとなったからである。その後1983年に西武流通グループ(現セゾングループ)のレストラン西武(現西洋フードシステム)の傘下で再生を果たしたのである。
しかし、今回の吉野家の判断は本当に正しかったのだろうか。私はこの1年ですっかり松屋のファンになってしまった。何しろ吉野家の豚丼はまずい。牛鉄鍋丼も焼肉丼も本当にまずい上に、出てくるのが遅い。一方松屋は以前からカレーや豚生姜焼きなどをメニューとしていたので、吉野家に比べてメニューの豊富さと味には一日の長がある。
結局50分待って、並弁当(300円)を四つを買うことができた。そして一食につき一枚の「牛丼ファンの証明書」をもらった。



味は、まあこんなものかなという感じ。
明日から吉野家は、また閑古鳥が鳴くんでしょうな。

このブログのタイトルでもある「天網快快」は、2年前に、私が自分の「はてなアンテナ」を始めた時に付けた名前だ。原典は「老子」<七三章>の「天網恢恢疎にして漏らさず(失わず)」である。
「インターネット」のことを中国語でどう言うのかなと考えていたところ、「網絡」などという言葉に行き当たったのだが、そこから何となく「天網恢恢」の熟語が頭に浮かんできたのだ。意味を調べると「天が張り巡らした網は広大で目は粗いようだが、決して悪人・悪事を何一つとりこぼさない。」ということだった。これはいいと思い、少しひねって「天網快快」とした。
はてなアンテナは、思った通りの結果を出すには、チューニングが必要だ。鰻屋のたれと同じで、一朝一夕にできあがるものではなく、また勘とコツを要する。経済・企業ニュースを中心に結構役に立つサイトを巡回させており、こまめにメインテナンスもしているので、是非皆さんにもブックマークして頂いて、ご利用頂けたらと思う。

1位サントリー、2位全日空、3位JTB。さて何の順位だろう?
そう、2月4日付の日経新聞第二部に載っていた、大学生の就職希望ランキングだ。多少の違和感を覚える方も多いだろう。実はこれは総合ランキングであり、有効回答者数4,553名の内に女子学生が2,463名が含まれているからだ。女子学生に聞くと、どうしても身近なブランド企業が上位に顔を出す。ちなみに4位はトヨタ、5位はJALである。男子学生では、トヨタ、松下、サントリー、ソニー、三井物産、電通、ホンダの順だ。しかし文系、理系を分けていない。
一方ダイアモンド社では、男女を文系、理系で分けてランキングを発表している。
それによると、文系男子の場合、商事、物産、三井住友、東京三菱の順だ。いずれにせよ今話題のIT御三家(ソフトバンク、楽天、ライブドア)は上位には入ってこない。いつの時代も同じで、学生は就職先選びに当たっては超保守的になるようだ。両親を心配させたくないという気持ちが強いのかもしれない。
ところで、今から20年以上も前の新入社員研修の時、当時既に経済評論家として有名であったK取締役が、我々新入社員の前でこんな話をしたのを覚えている。それは、「今まで東大の優秀な卒業生は、有るときは製糖業、また有る時は繊維産業と、その時代時代でもっとも人気の高い企業に就職してきた。しかし、企業にはライフサイクルがあり、やがてその産業は斜陽産業となってしまい、給料だってジリ貧になる。」という話だった。そして彼はこう言って話を締めくくった。「という訳で、皆さんは今がピークでこれから衰退していく会社に入られた訳です。」と。その後勤め先は破綻し、まさにK取締役の予言通りになったわけだ。この言葉はK取締役がその時履いていた、白いエナメル靴の輝きとともに、今でもはっきりと覚えている。

ほの暗い密室の壁にゆらゆらと蠢く影。
昨夜は、かつて同じ会社で働いていた人達の集まる懇親パーティーに参加した。場所は六本木ヒルズ近くのここ
いつもホスト役を買って出て下さる、今をときめくR社I 社長がプロデュースしたお店だ。
お世話になった先輩の顔、懐かしい後輩の顔。皆若くしてそれぞれ第二の人生を歩んでいる。既に起業家として名を為した人も結構いる。再起を果たそうとしている人もいる。ここでは誰も先輩面をしたりしない。老いも若きも皆同じ一線上に立って、自分の生き方を見つけようと、模索している。それが何とも心地良い。前と同じ組織に留まっている私には、うらやましく思えたりもする。
そう言えば、死んだばあさんが言ってたっけ。「私の友達はこっちの世界よりも、あっちの世界の方が多くなってしもうた。」と。

プロフィールの下にチャートを一つ載せてみた。何のチャートかというと、Apple社の株価ではなくて、私の体重だ。
始めは自分でスクリプトを書き写してサーバーに載せようかと思っていたが、BLOG Meterというサイトに登録すれば簡単に使えることがわかり、ひとまずそれにしてみた。このHPでは、体重以外にも計れる物であれば、何でも登録することができるそうだ。
データの入力方法は2種類ある。一つは上記のHP上に直接打ち込む方法。もう一つは毎日のブログのエントリーの中に、【76.5】kgなどのフォーマットを決めて書き込んでおくと、自動的に日付と数値を取得してくれるのだ。しかしながら私のブログはダイエット日記ではないので、エントリーの中には書かないつもりだ。
9月に80kgあった私の体重も、管理栄養士さんのお陰もあり、順調に減ってきたのが見て取れるかと思う。
私が減量をさぼっていないか、たまにはこのブログを覗いてみて下さい。

先日、台湾出張から戻ってきた、とある外人ボスの秘書が私のところにやってきて、ボスから預かったレシートが、一体何の領収書か読んでもらえないかと頼まれた。その小さなレシートには、「……焼臘小館」と判子がおされていた。確か「焼臘(シウラプ)」というのは、香港のメシ屋の看板にあったような。
「チャーシュー飯のチェーン店じゃないかな。」とひとまず答えておいた。後で「焼臘」を調べてみると、どうやら「臘肉」をローストしたものらしい。では「臘肉」とは何か?
漢字源で「臘(ロウ)」の字を調べたところ、この字は年末の祭礼をいうらしい。その年に生じた百物を並べ集め、ひとまとめにまつって年を送る祭りとのこと。そこから「臘月」という言葉が生まれた。「臘月」とは旧暦の12月のこと。そして「臘肉」とは、冬の寒い「臘月」に作る塩漬けの干し肉のことらしい。それを焼いたのが「焼臘(シウラプ)」で、それを食べさせるメシ屋が焼臘小館というわけか。一般には豚、鳥、アヒルなどの焼き物のことを「焼臘」というようだ。ところで、なぜ「焼臘」という字を知っているかというと、この「八仙飯店之人肉叉焼飽」というカルト映画の中で 主演のアンソニー・ウォンが、鬼気迫る焼臘屋のオヤジを演じていたからだと思う。
そういえば、2月頃に黄色の蝋細工の様な花をつける美しい梅のことを「ロウバイ」という。私はてっきり「蝋燭」の「蝋」の字をあてるものとばかり思っていたのだが、この「臘」の字をあてることもあるらしい。一体どちらが正しいのだろう。
さて、「臘月」といえば、あさって8日は旧暦12月の大晦日であり、9日からお正月。仕事のカウンターパーティーも、皆お休みをとるようなので、しばらく仕事にならないかもしれないな。

先週の月曜日に、漫画家の中尊寺ゆつこさん(42)が亡くなったとの記事があった。S字結腸ガンだという。バブルの時代を象徴するような漫画家であったが、その後も意欲的な創作活動を続けておられたとのこと。バリバリの現役であり、ご自身のホームページを持っておられた。
もし家族の方や友人が、HPのメインテナンスに興味が無かったとしたらどうなるだろう。そのHPは無縁仏の様になってしまうのだろうか。最近は高齢の方もネットに参加しておられる。自分だっていつ事故にあうかもしれない。そんなことを考えたニュースでした。

今日2月4日は立春であり、一年の始めとされている。ところが今年の場合まだ旧暦の12月26日なので、年の内である。この様な場合の立春は「年内立春」と呼ぶらしい。ところで昨日2月3日は節分であった。実は節分とは立春・立夏・立秋・立冬の前日を指すのだが、一般には2月3日の節分のみが広く知られている。
昨夜は家庭で豆まきをされた家庭も多かっただろう。私の家でも、私が鬼になり、寒いベランダにパンツ一枚で追い出され、豆をぶつけられるのが恒例になっていたのだが、今年は行われなかった。昨年豆まきの豆が沢山ベランダの隅に残り、明治神宮から飛んできた鳩に一杯糞をされ、掃除に往生したからだ。最近はマンションに住む人も多くなり、邪鬼を追い払う為に、家の外に豆をまくのも難しくなったのではないだろうか。そこで取って代わろうとしているのが、あの「恵方巻き」である。関西が発祥といわれる割には、関西人の私がその名前を聞いたのは、昨年のことである。
起源については諸説紛々としており、あえてここでは触れたくないので、例えばこちらのページを見て欲しい。どうやらバレンタインのチョコと同じく、戦後、大阪海苔問屋協同組合やメーカーが無理矢理ブームを作り出したとの説もある。海苔産業情報センターの「海苔ジャーナルエキスプレス」によれば、「需要の低迷に悩んでいる、海苔業界や寿司業界にとって有難いイベントです。」と書いてある。
正直いって、私は子供の頃から海苔巻きが嫌いなのだ。そして、商業主義に毒された「恵方巻き」なんてまっぴらです!と言いたい。だって私は天の「邪鬼」ですから!

昔、中国の北の国境の塞(とりで)に住む老人が飼っていた馬が、敵国の胡の国に逃げてしまった。周りの人が老人を気の毒がって慰めに行ったところ、老人は「このことが福につながらないとも限らない。」と言った。しばらくするとその馬が、胡の国の駿馬を沢山引き連れて帰ってきた。これは「淮南子(人間訓)」にある故事である。
昨年末に我が家に泥棒が入り、現金やカードと共に、時計、指輪、デジカメ、携帯、iPodminiを盗まれたことは既にお話しした通り。とんだ災難だと思っていたが、昨日保険会社から家財盗難保険の保険金が、ドカンと振り込まれてきた。
マンションの火災保険を契約した時は、まさか盗難保険が役立とうとは思ってもみなかったし、価格協定保険の「新価払い特約」というのが付いているのにも気付かなかった。この特約は失ったものの現在価値ではなく、新たに新品を購入する場合の金額を支払ってくれるのだ。おかげでデジカメ、携帯、iPodなどは、ある程度使っていたにもかかわらず、また新品、それも新型のものを買うことができるのだ。結婚指輪も買おうと思えば(?)また買えるお金を頂いた。時計は18年前に買ったもので、現在は販売していない物である為、当初保険会社は同じ物の中古での価格を提示してきたのだが、何度かの交渉の末、契約通り新品で購入する場合の価格、つまり購入当時の定価を支払ってもらえることになったのである。「焼け太り」とでもいうのであろうか。まさに「災い転じて福となす」だ。

ところが「塞翁が馬」には続きがある。近所の人がお祝いに行ったところ、老人は、「このことが災いにつながらないとも限らない。」と言った。そして駿馬に乗っていた老人の息子が、馬から落ちて足が不自由になってしまうのだ。私も臨時収入が入ったと、はしゃいでばかりいると、またとんでもない目に会うということだろう。
故事には更に続きがある。隣国との戦争が始まり、若者達は戦争に駆り出され、皆戦死してしまったが、足が不自由な息子だけは、戦争に行くことなく生きながらえることができたというのである。
まあ人間(じんかん)=世の中とは、全てこの様なもので、禍福は入れ替わりやってくるものだから、その都度大げさに悲しんだり喜んだりしてもしょうがないという意味なのだろう。
ところで、新品に変わるのであれば、古い大きなテレビを持っていって欲しかったな。皆さんの家では何でしょう。おっと、あなた、それは生命保険の範疇ですよ。

「太った豚より、やせたソクラテスになれ。」という言葉は、1964年3月の東京大学の卒業式で、当時の大河内総長が卒業生に向けて語った言葉だとされている。「されている」というのは、事前原稿を受け取った新聞社が、この言葉を決め言葉として新聞記事を書いたのだが、大河内総長は、実はそこの部分を読まなかったらしいのだ。
しかし、どう考えてもどちらかを選べと言われれば、後者の方を選ぶのが当然だろう。
私は不思議に思ったので、少しその言葉を調べてみた。するとこれは大河内総長のオリジナルではなくて、原典はジョン・スチュアート・ミルの『功利主義論』の中にあったのである。
原典では、尊厳の感覚が幸福の本質であることのたとえとして、「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。」と述べているのである。つまり、太った不満足なソクラテスを、決して排除していないのだ。
実際のソクラテスがどの様な体型だったのか、写真があるわけではないが彫刻はある。ほらご覧の通りだ。大河内総長もスピーチの前にこの真実を知ったのかもしれない。
何故私がクダクダと述べたかというと、実は昨年の夏に、社内のクリニックの先生に、体重を少し落とすようにと指導されたのである。それ以来、毎月一回栄養士の先生と面談をして、少しずつ体重を落とすように心がけてきた。この若い女性の栄養士の先生が、とてもほめ上手で、「わーすごいすごい、パチパチ。」と、ほめてくれるものだから、こちらも先生を裏切らぬよう、毎日節制に努め、お陰で4ヶ月で4kg程体重が落ちて、76kgになったのである。
昨日も面談があったのだが、ウエストが締まって、ベルトの穴が最盛期よりも4つ位減ったと自慢したところ、ベルトを抜かれてしまい、ハサミでちょきんと4つ分切られてしまったのである。背水の陣を敷けというわけだ。
しかしながらやっぱり、太ったソクラテスが一番幸せではないのかと私は密かに思っているのだ。

明日からWILLCOMという名前の会社がケータイ業界に参入するのをご存知だろうか?
実は全くの新規参入ではなく、KDDI傘下でPHS事業を行なっていたDDIPocket社が、米国の投資家であるカーライルの傘下に入ったことを機に明日から名前を変えることとなったのだ。ブランド名のAirH"も、外人でも読めるように「AIR-EDGE」に変更するという。
同社は、早くから定額つなぎ放題や、携帯用ではなくPC用のWebサイトを見ることのできるフルブラウザ「Opera」を搭載したAirH"PHONEを投入するなど、最も先進的な企業であった。しかしながらauを展開するKDDIの傘下にあった為、常に親の顔色を窺わなければならない(親より優れたサービスを展開するのが難しい)状態にあったのだ。
カーライルによる買収は、社員にとっても、またユーザーにとっても歓迎すべきことだと思う。ただし、カーライルの投資の意図は、日本でのシェア拡大というよりも、同社の技術を利用した中国の「小霊通」電話とデータ通信の将来性を睨んだものではないかと思う。
WILLCOMへの社名変更に伴って新たに発売されるのがAIR-EDGE PHONEの色違い一つというのは、せっかく知名度向上のいい機会なのに、余りにも寂しい。既にPHSつなぎ放題のインフラは整っているのだから、つなぎ放題ケータイを、他業者に先んじて導入してもらいたいものだ。OSもSymbianでもWindowsCEでもPalmでも構わない。その上にSkypeを載せたらどうだろう。

同社にはその名前であるEDGEに負けないような、トンガッた事業を展開してほしいと願っている。

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