2国間の為替レートの決定要因を説明する原始的な概念として、『購買力平価説』というものがある。為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという説である。
この仮説をわかりやすく説明するものとして、英国Econimist誌が、世界のビッグマックハンバーガーの価格を米ドルで換算した『ビッグマック指数』というものを、1986年以来定期的に発表している。最新の指数によると中国ではUSD1.30 に対し米国ではUSD3.15となっており、中国元が過小評価されているというニュースの根拠に使われたりもする。
だが、ビッグマックが世界中で通用する指標であるかと言えば、疑わしいところもある。例えば食生活の違いだ。宗教上の理由等ですべての国の人が牛肉を好むとは限らないからだ。また自国で牛肉や小麦を生産する国では、原材料が安く調達できる場合もあれば、逆に自国の農家を保護する為に、高い関税を掛けたりするかもしれない。何よりビッグマックは他の国から輸入することができない。
ビッグマック指数に勝る指標として、今月19日に発表されたのがiPod指数である。オーストラリアのコモンウェルス証券が発表した『The CommSec iPod index』というものである。
対象にするのは、世界中で販売されているiPod nano 2Gモデル。iPodが指標の対象として良いところは、宗教や文化の影響を受けにくいこと。また生産国が中国だけであり、それぞれの国の特殊な生産事情の影響も受けないこと。そして何よりインターネットのお陰で、自国で高ければ安い国から簡単に輸入することができるということだ。
米ドルのUSD149 .00に対して最も高いのがブラジルのUSD327.71。次がインドのUSD222.27となっている。ブラジルは少し割高だが、それ以外の国ではほぼUSD200から150の間に収まっている。概してヨーロッパの国では米国よりも高くなっており、ドルがユーロに対して過小評価されているとも考えられる。
日本は米国よりも少し安いUSD147.63。今の為替がほぼ妥当ということになるのかもしれない。(あくまで仮説だが。)中国では米国よりも高いUSD179.84となっている。
コモンウェルス証券のニュースは、「iPod指数の結果は米国の政策当局者にとっては喜ばしい物ではなかった。彼らは元の切り下げではなく、切り上げを望んでいるからだ。」と結んでいる。






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