『1985年』吉崎 達彦 著

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1985年
4106101300吉崎 達彦

新潮社 2005-08
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タイトルに釣られてセブンアンドワイで中身も見ずに購入した本だが、面白くて一気に読み終える事ができた。著者は『溜池通信』というホームページを書かれている『かんべえ』氏。私と同年代で、現在は双日総合研究所副所長を務められている。

著者は冒頭で日本の国運における40年周期説をまず取り上げられている。

 1868年〜1904年(明治維新から日露戦争まで)上り坂
 1905年〜1945年(日露戦争から第二次世界大戦の終戦まで)下り坂
 1946年〜1985年(戦後からプラザ合意まで)上り坂
 1986年〜2025年まで?(バブル経済から???)下り坂

今から20年前の1985年を、日本人が最後に『坂の上の雲』を仰ぎ見た年であったとし、この歴史の転換点だった1985年に何が起こったのかを、今一度思い起こしてみようという本だ。

章立ては極めてわかりやすい。第一章から第七章のタイトルをそのままあげてみよう。
 
 第一章 政治〜中曽根政治とプラザ合意
 第二章 経済〜いまだ眩しき「午後2時の太陽」
 第三章 世界〜レーガンとゴルバチョフの出会い
 第四章 技術〜つくば博とニューメディア
 第五章 消費〜「おいしい生活」が始まった
 第六章 社会〜『金妻』と『ひょうきん族』の時代
 第七章 事件〜3つのサプライズ

そうそう、そういう事もあったなあと、20年前のことを思い出させる。創政会の発足と田中角栄の引退、豊田商事社長の刺殺、三光汽船の倒産、マル金マルビ、電電公社の民営化、糸井重里、『美味しんぼ』、山本益博、『ザ・ベストテン』の凋落と『ニュースステーション』のスタート、21年振りの阪神優勝、そして忘れてはならない日航機の墜落事故などなど。

ただ、1985年に起きた出来事を思い出すだけであれば、大きな図書館へ行って、『現代用語の基礎知識 1986年版』をめくればわかること。著者のスゴイところは、それぞれの出来事について、微に入り細に入り、これでもかこれでもかとディテールについて書き込んでおられることだ。

筆者は最後に、1985年は「やっぱりいい時代だった。」と締めくくっておられる。だが冒頭で掲げられた40年周期節に基づくと、日本は未だ上り坂への転換点までの半分を過ぎたに過ぎず、この後20年間はどん底に向かって下るのみであることになる。

戦後からプラザ合意までの様な右肩上がりの上り坂を体験する為には、あと20年も待たなければならないのか。それまでに日本の国はパンクしてしまいそうだ。今こそ何とかギアを最速にして、転換点を一気に通過してしまう必要があるのではないだろうか。

ところで、著者がこの本を書かれるにあたっては、それ相当のご苦労があったとは思うが、一方で大変楽しいお仕事でもあっただろう。著者のお仕事がとてもうらやましく思った次第である

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やじゅんの世界ブログ/The World according to YAJUN - 時代の明るさと閉塞感(その1:「1985年」) (2005年8月27日 11:16)

かんべえさんの『1985年』が書店にお目見えしたようです。この書名、ベルトルッチの『1900年』を彷彿させて、カッコイイですね(オーウェルの『1984年』の方が... 続きを読む

コメント(2)

素敵な書評をありがとうございます。
この本を書くのは楽しい作業でしたよ、特に第5章と6章は。辛かったのは日航機墜落の部分だけでした。

著者直々のコメント、有難うございます。

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このページは、durianが2005年8月22日 00:09に書いたブログ記事です。

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