郵政雑感

一昔前、日本郵政公社が郵政省と呼ばれていた頃、証券会社に出向していた私は、毎朝毎夕、霞ヶ関の郵政省に顔を出していた。

貯金局と簡易保険局のリレーションシップマネージャーだった私は、毎日官僚のご機嫌伺いに行くのが日課となっていたからである。

正にそこは『士農工商』の世界。『士』は当然郵政官僚で、我々出入り業者は一番下の『商人』である。

ノンキャリ官僚は運用担当と現場の郵便局員を、2年毎位に繰り返していた。一方キャリア官僚は、放送行政や郵便行政など、運用とは全く関係ない所から突然課長としてやってきたりする。

ズブの素人が突然巨額資金の運用の責任者になるなんて、民間だったら考えられるだろうか。

でもそこは霞ヶ関官僚。異動で運用の部署にやってくると、猛烈に勉強して、いっぱしの運用専門家の様な顔をしなければならない。そのお手伝いをするのがリレーションシップマネージャーの大事な役目なのである。

郵政省の一階には、業者が時間つぶしと情報交換をするたまり場の様な部屋があった。そこには野村証券出身で、外資系証券を渡り歩いている爺さんがいた。外資はこういうウェットな関係を作るのが苦手なので、このような爺さんに高給を払って、任せていたのだ。

上司からは、「この仕事をやってれば食いっぱぐれはないから、転籍したら?」と勧められたが、どうにもこの雰囲気になじめそうになく、丁重にお断りした。

IT長者が夜の六本木で豪遊するがごとく、有り余るお金をやみくもに運用する郵貯、簡保。資金運用の舞台裏を知ると、郵便局へお金を預けようなんて気は無くなるなるだろう。


郵政民営化については、このページがわかりやすく面白かった。

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