取り違え

皆さんはどこで生まれたのかご存知だろうか?仮にどこかの病院だったとしたら、その病院の名前を言うことができるだろうか?

昨日の朝刊に、『東京地裁が47年前に起きた都立墨田産院での取り違え事件について、取り違えの事実を認定する判決を出した』との記事が載っていた。九州に住む47歳の男性が、損害賠償3億円を求めて東京都を訴えていたものだが、損害賠償については、除斥期間の経過などを理由に棄却したという。

「どうしてこんな話が今になってわかったのだろう、除斥期間とは何だろう?」と気になって、WEBで少し調べてみた。除斥期間については、損害賠償の請求権が消滅する期間のことで、この場合は20年らしい。しかしこんな大事な話に時効なんてあって良いのだろうか。

事件の経緯については、このページが詳しい。今まで父親はO型、母親がA型の血液型だから、自分はA型なんだと思っていたのに、8年前に、母親の血液型がB型であるということがわかり、自分が実の息子ではないということに気がついたとのことである。

この墨田産院というのは、当時自宅で出産をするのが当たり前の昭和27年に、都が最新の設備を備え産婦人科と小児科の専門医を置いて設立した、他の模範となる産院であったらしい。昭和63年に出産数の減少と施設の老朽化により、閉院されたとのことである。

当時の資料は残っていないそうだが、一日3〜4人程度の出産だったらしく、前後5日間に生まれた人がこの男性の取り違えの相手だとすると、30〜40人程度に絞られる。

男性は入れ替わった人を探す為に、社会保険庁に誕生日が近い男性の氏名・住所の調査をさせるように申請したが、「個人情報にかかわることで都の法的責任がないので調査できない」と棄却したそうである。またここで『個人情報』だ。

石原都知事はは二十七日の定例会見で、男性の生みの親を探すため、都が所有する資料を、都が独自で開示する考えを示したとのことである。

この様な取り違いは、特別なケースではなく、結構起きているらしい。事件の経緯の記事を読むと、昭和48年3月に開かれた日本法医学会総会で、東北大学の赤石英教授が、昭和32年から昭和46年の15年間に全国で32件もの取り違え事件が起きていたと発表した。これは判明したものだけなので、実際にはその数倍以上はいるとのことである。

私の子供は海外で生まれたのだが、家内は入院する時に、腕時計の様な形をしたバーコードの記されたタグを腕に巻かれた。出産にも立ち会ったのだが、子供は生まれると同時に足に同様のタグを巻き付けられた。これで取り違えが防げるというわけだ。

今回の男性と取り違えられた男性が、何も知らずにどこかに住んでいるわけだが、1958年4月10日前後に生まれた方は、一度ご自分の生まれた病院を確認した方がいいかもしれない。

カテゴリー: 社会 タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です