『閨閥』マスコミを支配しようとした男

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この作品は2004年5月に徳間文庫のために書き下ろされたものだが、故有って今は書店にもAmazonにも並んでいない。その為、オークションではとんでもない高値がついている。

書店から回収された理由は、『週刊文春に発表された署名記事の無断引用があった為』と公告がなされているが、お金で片がつくような話でもあるので、何やら別の大きな力が働いたと考えるのはうがち過ぎだろうか。

主人公は、マスコミ三冠王となった『鹿野 信元』、舞台となったのは『フヨウニッポングループ』と聞けば、誰でもあのメディアグループをモデルにしたと気がつくだろう。

鹿野家を巡るドロドロ劇を読んでいると、まるで最近流行の韓流ドラマを見ている様な気がしてならなかった。

主な登場人物は以下の通りだ。
鹿野 信元 = フヨウニッポングループ議長
鹿野 房子 = 信元の妻
鹿野 春樹 = 長男
鹿野 寛子 = 長女[芸名 菊 よう子]
鹿野 宏和 = 二女の娘婿

植村甲午郎 = 経団連会長(本名)
水口 成人 = 「財界四天王」の一人
水口 真一 = 中部百貨店社長
下田 順也 = ニッポン新聞元社長
椿  宗二 = 中部流通グループ総帥
椿  義弘 = 中部鉄道社長
日出原久行 = フヨウテレビ会長
池田 正隆 = フヨウテレビ社長
間 重四郎 = ニッポン新聞社長
川田 道直 = フヨウ放送前社長
亀田 明夫 = フヨウ放送社長
村田 彰二 = 村田ファンド
宮口 義夫 = オレックス会長

本作品はフィクションとうたっているが、鬼籍に入ったその他の登場人物は、皆本名で登場しており、現実とフィクションとの境もあいまいである。(この本の21ページ14行目には主人公の名前が『鹿内』と印刷されており、笑える。)

大きな嘘は有っても、むしろディテイルの部分には中途半端な嘘はないだろう。なぜならモデルにされた人達から名誉毀損等で訴えられるかもしれないからだ。

私はこの本を読んで、長年感じていた『なぜグループ内に二つもラジオ局があり、双方がフジテレビの大株主になっているのか』という疑問が解けた。

だが、この本の最後の部分は多少尻切れとんぼである。村田ファンドとオレックスが出てきたところで話は唐突に終わっている。作者はこの様にすることで、現実の世界に着地したつもりであったのだろう。

しかしながら、現実はホリエモンが登場して引っ掻き回したおかげで、話が新たな展開に突入している。もしこの本が再び出版されるとするなら、最後の部分は大幅な書き足しが必要となるだろう。

私はこの本を、ホリエモンが世の中を騒がせていた3月の初めに、図書館で次の順番として予約したのだが、前に読んでいる人がなかなか返却してくれず、誰かが買い占めならぬ『借り占め』でもしたのかと疑っていたのだが、連休前にようやく手に入れることができた。

ご興味を持たれた方は、お近くの図書館へどうぞ。

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