『「やりがい」の変革 』

「やりがい」の変革 自分を高める本物の人間力とは
千本 倖生(せんもと さちお)

青春出版社 1997-05
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先日、「お久しぶりです」というタイトルで始まり、「いつもこのブログを楽しみにしています」という、一通の温かいメールを受け取った、その後何通かのメールのやり取りをさせて頂いたことが、この本を読んでみるきっかけとなった。

差出人は、かつて私と同じ会社に勤められていた先輩であった。もともとマルチメディア業界を担当されていた方とは聞いていたが、ご年齢のわりにと言えば失礼だが、私が普段一番興味を持っている事について、私より、ずっと最先端の事をご存知であることに驚いた。だが、それもそのはず、現在はこの会社でご活躍中だからである。

ご自分でも「エキサイティングな毎日を送っています。」とメールに書かれていたが、それがうらやましく、その秘密を探るべく、その会社を率いるCEOである千本倖生氏について、もう少し調べてみようと思ったのである。

千本氏は、電電公社を飛び出し、第二電電を立ち上げ、KDDIの副社長やDDIポケットの社長を経て、53歳の時に全ての企業活動から手を引き、慶応大学の教授(ベンチャー企業経営論)となられた方である。私の知識はそれ位のものであった。その後再びADSL回線を提供するイー・アクセスを立ち上げられたのだが、私はケーブルテレビでインターネットの高速接続を行っているため、ADSLについては、あまり興味がなかった。

ネットで探し出した幾つかの著書の中から、この『「やりがい」の変革 』というタイトルに一番ピンときた。図書館で借りて読み始めたのだが、千本氏の主張は、私の日頃感じている事とほとんど違わず、すんなりと納得できるものであった。四章六十節にまとめられているのだが、一節の無駄も無く、一節、一節が身体に染み入る様な感じがした。

この本は、「人生には三度のチャンスがある」と語る著者が、自らが既成概念との戦いの末に成し遂げた一度目の起業体験を、京セラの稲盛氏の言葉を交えて語る事により、変わろうとしても変われない人々に対して、背中を押してあげようという本である。

この本の目次から、幾つかの節のタイトルをご紹介しよう。「安定を求めることの不安定さ」、「頭に職を持て」、「一点凝視の姿勢が道を開く」、「身を軽くという鉄則」、「他と違う自分」、「自己完結型という行き詰まり」、「善でない動機には破綻がくる」等々である。

山一証券崩壊直前の1997年6月に出版された本なのだが、今読んでも全く古さを感じさせない。それだけ先見の明があったということだろう。残念ながら現在絶版で発行元にも在庫がないようである。出版界も堀江本ばかり売ってないで、こういう本こそ出版を続けるべきなのにと思う。

座右に置いておきたいが、そうもいかないので、この本の節のタイトルを「今日の金言」として、このブログでランダムに表示してみることにした。如何だろうか。

千本氏はまたもや今の安定に飽き足らず、今度はDocomoやauに対抗する、新しい携帯電話事業への参入を表明している。今後も目が離せない。

この本を97年当時に手に入れていれば、その後の自分の人生も変わったのになと思った。だが、もしかするとその時は、すんなりと受け入れる事ができなかったかもしれないとも思う。まさに、氏が言うように、「不安を感じるのならチャンスは熟していない」であり、「人生の最良の時こそ、変革すべき時」であるからだ。

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