君子は豹変す?

昨日は本業がらみで「中国の企業へのプライベート・エクイティ投資」という講演会に出席した。講師は、ロサンジェルスで中国向け投資のファンドマネジメント会社を経営する中国人。

過去欧米の中国向けファンドがうまくいかなかった理由として、安易に香港、台湾、シンガポール人等の『外国人』をファンドマネージャーに充てていたこともその一つとしてあげていた。彼は広州大学で物理学を学んだ後、アメリカに渡り経営学を修め、MBAを取得し、ゴールドマンの本社に勤めた経歴とのこと。そういえば、最近彼の様な、外で経歴を積み、外資に勤める中国人が増えてきた。

講演内容は特段新しい話ではなかった。中国のオーナー企業に投資した場合、例えば妾の息子が経営に割り込んできたり、先祖の墓参りを強要されたりと、驚くようなことがあるなどと話していたが、西武鉄道グループの例を引くまでもなく、日本人にとってさほど珍しい話でもない。(というより、堤一族が多分に大陸的、半島的なのかもしれないが。)強いて面白い発見と言えば、中国の国内生産規模に占める、国営企業の割合が、25%を切っており、日本よりも民営企業の割合が高くなったという話ぐらいか。

ところが、質疑応答に入ってから興味深い話が幾つか聞けた。この手の情報は、活字になった時点ではその情報が過去のものになっていることが多いので、生の話が聞けるのは有難い。


  • 減税政策が進められており、98年には55%であった法人税率は既に15%まで引き下げられ、売り上げの70%以上を輸出で稼いでいる企業に対しては10%まで引き下げられたとのこと。
  • 外資が投資の果実を受け取る時に支払った所得税は、中国で再投資を行う場合には還付されること。
  • 特定業種(テレコム、銀行、保険)を除いては、外資が100%保有することも自由になったこと。また流通業に付いても、今年から外資100%が認められるようになったこと。
  • ITやハイテクに投資する外資系企業には、政府からオフィスや工場用地を無償で提供してくれること。
  • アメリカの反ダンピング課税の適用が頻繁である為、広州とベトナムに工場を建設し、中国からの輸出に課税されそうになると、一旦ベトナムへ輸出し、そこからアメリカへ輸出する様なアドバイスをしたことがあるとのこと。

最後の質問は、時節柄か、『メディア企業の外資規制は?』というものだった。現状中国では、中国人>外国人であれば、認められるということなので、20%規制を設けている日本よりも、自由度が高いと言うことか。
講師はあるテレコムカンパニーを所有するに当たって、信頼できる中国人に名義を貸してもらい、将来外資によるメジャー保有が認められる時期がくれば、今の投資価格で売却してもらうという、『裏契約』を結ぶことにしたという。それも何とこのスキームは、中国政府当局者から、『こうやればいいじゃないか。』と勧められたというから、お笑いだ。

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